塗装工事やDIYで塗装を行う場合、色々な種類の塗料があって把握するのも大変かと思います。
建築会社や塗装店に工事依頼を出しもらった見積書を見てみると・・・
各部位により様々な種類の塗料を使っている事がわかります。
しかし専門知識の少ない一般のお客様にとって、どんな塗料が優れているのか?適しているのか?
更にはそれぞれどのようなメリット・デメリットがあるのか?
簡単な説明だけでは中々理解しにくいことと思いますので、
ここでは住宅の塗替えで一般的に使われる物に絞って、それぞれ解説していきます!
なお、各系統の中に更に用途別や一液型か二液型の違い等、たくさんの種類がありますが、
そこまで把握していなくても大丈夫だと思いますので基本的にそこは触れません。
もう少し詳しく聞きたい!という方は「お問合せ」からご質問してくださいね!
屋根や外壁の塗替えに使われる塗料では1番グレードの低い塗料になります。
現在はほとんど使用する業者はないと思いますが、
外装では軒天や基礎、内装ではクロスの塗替えなどに使用する事は多々あります。
材料単価は最も安価ですが耐用年数や防カビ性能などは低くなりますのでオススメできません。
ホームセンターだと普通に取り扱っていますが、これを使用してのDIY塗替えは絶対NG!!
その後塗替えを行う際に塗装店としてはかなり手間がかかるため、かえって割高になってしまいますよ~。
アクリルより数段上の性能を持ち材料単価も比例して高くなります。
外壁用の材料の場合、耐用年数は7~10年程度。
近年はシリコン塗料を用いる塗替えが主流だと思いますが、
まだまだ外壁塗装にウレタン塗料を使っている業者もいます。
当店でも部分的に使ったり、ちょっとした塗装であれば使用する事は多いですが、
屋根や外壁の塗替え時に使う事はあまりありません。
もちろん予算のご都合によっては対応する事はあります!
また、適切な下地処理をせずシリコン塗料を2回塗るのであれば、
同じ金額で下地処理をしっかりと行ってウレタン塗料2回塗りの方が持ちは良いです。
現在、釧路の屋根や外壁の塗替えにおいて最も主流と言えるのがシリコン塗料と思われます。
ウレタン塗料よりも材料単価は当然上がりますが、艶・耐用年数・素地保護力はかなり高いです!
これ以上のグレードになると材料単価がグッと上がるため工事金額も100万越えするなど高額ですので、
基本的にはこのシリコン塗料を用いるのが品質面・コスト面どちらで考えてもオススメですね!
耐用年数は大体10~12年程度と思っていただければ大丈夫です。
ただし各材料によってシリコン含有量が変わってくるので、どれでも同じ品質という訳ではありません!
また、下地処理や下塗りを手を抜いて上塗りだけシリコン塗料を使うような塗装店は、
工事代金を不当に水増ししているようなものなので、そういった所には注意が必要!!
更に特に屋根用塗料などで一液型シリコンもあるのですが・・・
いくらシリコンが含まれているといっても一液型では耐候性にも欠け持ちが悪いですから、
できるだけ二液型塗料を使ってもらうようにした方が良いと思います。
シリコンの更に上をいく保護力・艶,艶持ち・耐候性を持つ優れた塗料です!
屋根や外壁に汚れも付着しにくくなりますし、耐用年数も15~18程度あるので塗替えスパンが短くなります。
従って2回3回と塗替えを繰り返す事を計算すると、結果的には費用が安く抑えられる事になりますね!
ただし材料単価はシリコン塗料の2倍からと一気に跳ね上がりますので、
比例して工事金額も非常に高額になってしまいます。
性能面でもコスト面でも優秀でオススメしたいんですが、誰でも気軽に使える金額じゃないですから、
お客様と塗装店で話し合った上で熟考して使用するかどうか決めて行く塗料だと思います。
もちろん予算に余裕のある方はフッ素塗料の使用を検討してみても良いですね。
セラミック塗料はセラミック物質の含まれた高性能な塗料となっています。
もちろんセラミック含有量や元々の塗料グレードによって金額・耐用年数は様々ですが、
外壁に使用するような質の高い塗料の場合は概ね高額となる傾向があります。
逆に凄く安価なセラミック塗料であれば他を使った方が良いでしょう。
セラミックがどのように素材を保護するかというと、
塗った後の乾燥硬化段階で塗膜表層にセラミック物質が浮き上がってきて
それがあちこちに配置されることで、強固なセラミックによる保護層ができる仕組み。
その為セラミック含有量が多ければ多いほど強力になり、
少なければ言うほどの能力は発揮されない、と思ってください。簡単に言えば。
ただし欠点としてセラミックという硬度の高い物質が表層にあるために、
建物の歪みや外壁サイディングの伸縮には弱く、ひび割れやクラックが起こりやすいです。
素地を守る力と汚れなどを付着させにくいといった点は優れているので悪い塗料ではありませんよ!
これはあまり聞きなれない名前かもしれませんが、特殊エポキシ系の金属用上塗り塗料です。
釧路周辺ではあまり使われていないかもしれませんね。僕は数件しか知りません。
非常に優れた艶持ちと潤滑性を持ち、高温にも耐えられ、耐候性もとても高いようです!
金属用なので鉄骨階段や屋根が主用途にはなりますので、外壁は別系統の塗料を使う必要があります。
これまで紹介した物よりも持ちが良く、メンテナンスサイクルの長期化ができるとの事。
その分金額は高額なので、意識して使わなくても良いんじゃないかなーと思います。
ただし、お金をかけられるのであれば、こういった塗料を用いての塗替えは良いと思います!
光触媒や銀触媒など、ここ数年で一般的にも耳にする機会の増えた塗料です。
耐用年数は15~20年とカタログには記載ありますが、17,8年と思っていれば問題ないかと。
で、どういった効果のある塗料なの?という事になりますが・・・
塗装面に太陽光が当たる事によって、表面に付着した汚れなどが分解され浮き上がります。
そこに雨などの水分が当たる事で浮いた汚れを洗い流してくれるという仕組みになっています!
要は優れた親水性を持たせる事ができるために塗膜自体の持ちも長くなり、素地の劣化も抑えられるんです。
ですが北海道を始めとする積雪地帯や寒冷地で十分な効果を発揮するのか?僕は疑問に思います。
この数年で注目され評価の高まっている塗料なのは間違いないので、
もう少し研究が進めば今のフッ素のような感覚で使われるようになるのではないでしょうか?
実際まだ開発されてあまり年数が経っていないので、本当に20年持つのかも確証ありませんしね。
こちらも光触媒塗料と並んで近年注目度の高まっている新しい塗料で、
耐用年数も光触媒と同等の15~20年と設定されています。
僕はまだ使った事がないため個人的な感想を書くことはできませんが、
調べたり聞いたりして得た情報では、屋根に本来伝わる熱量を大幅に跳ね除けて
建物内の温度上昇を抑える効果のある塗料との事でした。ちなみに結構お高いです!
その効果は中々のものらしいですが、釧路辺りでそこまでする必要あるのかな?とは思います。
断熱効果を考えると冬の寒さ厳しいこの地方では良いように感じられますが、
果たして厳寒を和らげられるだけの力があるかどうかは定かではありません。
溶剤系にも水性系にもある種類で、厳密にはウレタンやシリコンなどの系統とは違いますが、
せっかくなのでこれも一緒にご紹介する事にします。知って損はないですからね!
"アクリルエマルション"とか聞いた事ある人もいるのではないでしょうか?
ではこのエマルション塗料とは一体どういったものなのかと言うと・・・
お互いに混ざり合わない液体の片方が細かく微細化して、
もう片方の液体中に分散して乳化した状態になる塗料の事を言います。
例としては水性系と油性系が溶けずに混ざった感じと思ってください!
水性エマルション塗料を例にして簡単に説明すると、
分散触媒の水が脱する事によって乳化した粒子が集まり融着して強度を増す訳です。
こういった特性を持つため、従来の塗料よりも耐久性があり作業性の高い塗料になりました。
上で紹介してきた各塗料種も屋根用や外壁用などの差異はあれど、
概ねエマルション塗料となっています。細かく言うと違うものもありますが。
ついでにこれも!木材着色保護塗料の総称で、外装向けだとガードラックやキシラデコール、
内装向けにはコンビステインなどが代表的。内外両方の製品がある外国製のオスモカラーもあります。
主に内装関連で使われる事が多いかと思いますが、外装でも木の羽目板の外壁やウッドデッキなど
ステイン塗料を使用する箇所は少なくありません。木材そのままでは腐りやすいため塗装は大切です!!
外装で使う場合、耐用年数は6年程度だと思ってください。大体5間隔で塗り直すと木材も長持ちします。
内装の場合は着色後にクリヤーを塗って仕上げるのがほとんどなので、そのまま塗り直す事はできません。
塗り直す際は一度ペーパーで研磨してクリヤー塗膜を落とし、できるなら旧着色層も落とすとキレイに仕上がります!
どうでしたか?なるべくわかりやすいように書いたつもりですが、
ちょっと訳わからない部分があるという人もいるかもしれません。
大きく分けて"溶剤系塗料"と"水性系塗料"があり、
その中で"アクリル" "ウレタン" "シリコン"などの種類がある。
グレードの高い塗料の方が品質も高く長持ちするが、
あくまでも適切な下地処理と下塗り材の使用が大前提!!
そんな風に考えていてもらえれば大丈夫です。
逆に下地処理で手を抜いてしまうと、せっかくの高価な塗料も台無しになってしまいます。
建物の状態と見合った塗料を用いた施工方法が大切なので、
工事の際はそういった所を少しツッコんで聞いてみるのもオススメですよ~!