こんにちは!
今回のDIY講座は『サイディング目地のコーキング方法』です。
コーキング(シーリング)は特に外部では重要な役割を持っています。
サイディング等の外壁目地やサッシ廻りの目地、
モルタル外壁でもクラック補修などでコーキングを行う事は多いんです。
しかし、下処理も打ち方も仕上げ方もちゃんとわかっていないと意味がありません。
今回はあくまでもDIYでできる範囲のやり方を書いていきますので、
「自分でコーキングするぞ!」という方は参考にしてみてください!
また、厳密にはコーキングとシーリングは違うものなのですが、
今はほぼ同じ意味で使われている(言葉が)ので、ここでもコーキングと表記する事にします。
最初に必要な材料や道具を用意するところから始めましょう。
どんな事でも目的に合った道具・材料を使用しなければなりません!
まずは材料、施工箇所に合ったコーキング材を選んでいきます。
一口にコーキング材と言っても色々な種類や等級がありますが、
主に一般住宅で必要になるであろう物は以下の3種類だと思います。
① ウレタン系コーキング
紫外線に弱かったりゴミが付着しやすいデメリットはあるものの、外壁にも屋根にも使用する事ができます。
また乾きが遅い事もありプロ用なのか、あまりホームセンターでは売っていないようです。
硬化が遅いため次工程作業にスムーズに移れないのですが主に外壁に使う事が多いかと思います。
② 変性シリコン系コーキング
最も多く使われているであろう種類になります。
十分に硬化した後はウレタン系よりも紫外線に強くゴミの付着も少ないです。
ウレタン系と違って施工後に塗装をしなくても劣化する程度が低いでしょう。
ホームセンターで売っている色数も多いので簡単に手に入れる事ができます。
特に屋根に使うのに向いている材料だと思います。板金屋さんも多く使用しているでしょう。
③ シリコン系コーキング(シリコンシーラント)
上2種と比べると少し特殊な材料になります。
施工が簡単だと思っているのか、一般の方が自分でやる場合に使われる率が凄く高いです。
確かに硬化が早いし撥水防水力も高く値段も安いので、皆さん買ってしまうのもわかりますが。
確かにこのシリコン系の良い所は硬化の速さと撥水防水力ではあるんですけれども、
このシリコン系は塗料が密着しません!成分問わずコーキングも密着しません!
密着させるための専用プライマーもありますが、安価な物ではあまり効きません。
そんな訳で後々塗装する必要性のある外部に使う事はほぼないでしょう。
逆に内部のキッチン廻りや浴槽等はこのシリコン系が適しています。
さて、目的と施工箇所に合う材料が決まったら道具の用意です。
・コーキングガン(これがないと始まりません)
・マスキングテープ(目地の両脇に貼ってから充填します)
・種類に応じたプライマーと刷毛(密着の必需品!ウレタン系にはウレタン用を)
・カッター(既存のコーキング撤去などに使用)
・各種ヘラ(3種類程度)(目地の幅や形状に合ったヘラが必要です)
・テープ剥しに使う棒状の物(手がベトベトになるので棒で巻き取るようにテープを剥すため)
・ゴミ袋やレジ袋、新聞紙や不要な厚布など(ゴミを捨てたり道具を仮置きしたり)
これらがあれば一通りのコーキング作業を行う事ができます。
マスキングテープは屋根や外壁の場合は基本粗面用の物で大丈夫ですが、
内部だと糊が強く残ってしまう可能性もあるため粘着力の弱い物がオススメ。
ただし壁紙に貼る場合は必ずクロス専用の物を使用してください!
材料や道具を揃えたら早速コーキングをやりたくなりますが、それは絶対にNGですよ!!
外壁目地などの場合はまず既存コーキングの撤去から始めなければなりません。
カッターを使って慎重に取っていきます。
結構力を入れないと切れないので手を切ったりしないよう、また壁を傷つけないように注意が必要。
カッターを入れ難い下の方や水切近くは下から少し切っておくとやりやすいですね。
切り難い場所や水切の近くなどは一度下から切ると上手くいきます。
できるだけキレイに全て撤去してください。
サイディングを例に出すと小口素地が見えるようになるまでが目安!
これは悪い例。まだまだ取り足りないので多少小口を削ってでも素地を出していきます。
すると・・・
最低でもこのくらいまでは取っておかないと新しいコーキングの密着が悪くなってしまいます。
DIYでやる程度の規模であればこれでも問題ないでしょうが、本格的に目地全部となるとまだ足りないくらいなんです。
今回写真は撮っていませんが、ここから更に素地が出るまで続けています。
既存コーキングの撤去を全て終えたら次に行うのがテープ貼り。
施工目地の両脇にマスキングテープを貼っていきましょう!
実はこれ、とても重要な作業なんです。
もちろんコーキング材の充填や仕上げるのも大切な作業ですが・・・
マスキングテープをどれだけまてに貼れるかで仕上がりに差が出るんです。
気をつける事は色々とありますが、
一番大切な事は、壁の細かな凹凸も無視せずきっちりテープを貼る事!
多少撫でるのが上手くいかなくてもテープ次第で案外キレイに見えるものです。
テープのラインがそのまま仕上がりにラインになりますから。
貼り方としては一番下の段から貼って行きます。
下の段であれば上からでも下からでも構いませんが、
上は手の届く高さで一度辞めてテープを切ってください。
その際テープの橋を1㎝程度外に折っておくと剥すのが楽になりますよ!
下の段を全て貼り終えたら一段上に上がってまた繰り返し・・・
これを続けて施工する一番上の段までテープを全て貼ってしまいましょう。
実際にテープを壁に貼っていく上で注意する事は、
目地に対して真っ直ぐ貼った方が仕上がりのラインがキレイになります。
凹凸に上手くはるコツは説明するより自分のやり方でやった方が簡単なので説明しません!
ゆっくりでいいのでできる限り壁の模様や形状に沿って貼っていってください。
凹凸を無視して貼ってしまうと、テープを剥した際に跳ねたりして淵がとても汚くなります。
このように全てのテープ貼りを終えてから次の工程に進みましょう。
梯子などで一気に全部できない場合は、一つの面を仕上げまで進めてから次の面に取り掛かれば良いでしょう。
コーキングを仕上げる際は一番上から撫でてくる訳ですが、
どうしてテープは下から貼っていくのかわかりますか?
それは撫でてすぐにテープを剥してから次ぎに進むためです。
行ったり来たり上ったり下りたりすると余計な時間がかかりますし、
夏場など放置しているとすぐに硬化してきてしまい、上手くテープを剥せなくなってしまうのです。
そうなると厄介なので、撫でてすぐにテープを剥す必要がある訳です。
また目地脇に貼る場合は淵ギリギリより1㎜か2㎜程逃げて貼ると上手くいきます!
プロや慣れている人は淵ギリギリでも仕上げられるんですが、
中々難しいので僅かなら逃げて貼って問題ありませんよ!
ただあまりサイディングに被り過ぎるとその部分のみ早く変色したり、
劣化した時に凄く汚くなってしまいます。
そして後述するプライマーもテープ下には塗布されないので、密着力自体も弱くなってしまいます。
さて、マスキングテープを貼り終わったら最後にプライマーを塗っていきましょう!
プライマーという言葉自体は聞いたことがあるって方も多いかもしれませんが、
実際どんな意味があるのか?ちゃんと理解していますか?
プライマー塗布の目的としてはコーキング材の素地への密着力を高める事。
塗らなくても全く密着しない訳ではありませんが、しっかりと塗った部分は長持ちします。
サイディング等は建物の微妙な動きにより一緒に動いてしまうので、
目地のコーキングもそれに追従しようと伸縮したり引っ張られたりするんです。
それを何度も何度も繰り返していく事によって、コーキングが傷むのは確実ですし接着面も切れ易くなります。
たまに小口からコーキングがキレイに剥がれてしまっている事があるのも事実です。
それでは早速プライマーを塗っていくのですが、プライマーにも色々と種類があります。
ウレタン系にはウレタン用プライマー、変性シリコン系には変性シリコン用プライマー
シリコンが付いていた箇所や被せる場合はシリコンプライマー。
他にもメーカーによっては専用プライマーを出しているところもあります。
同じウレタン用でも用途や施工対象によって使う物も違うので、よく確認するようにしてください!
上の写真、左は塗り足りない状態。右は十分に塗れているいる状態。小口の色が変わっているのがわかります。
プライマーを塗る際はテープをはみ出したり関係ない所に付けないようにしましょう!
所謂目地刷毛のような小さい刷毛を使って、たっぷりとムラのないように塗っていきます。
ここでポイントとして、目地等のコーキングは二面接着が基本!という事です。
つまり両脇の小口にのみプライマーを塗り中心奥のハットジョイナーには塗らないように。
多少ついてしまうのは仕方ありませんが、わざわざジョイナー目掛けて塗るのはNGですよ!
塗った後は各プライマーの説明書きの通り(できるだけ)乾燥硬化の時間を置いてから次の作業に入りましょう。
プライマーが乾いたら、いよいよコーキングを打って仕上げていきましょう!
あまり慣れていない人や施工箇所がたくさんある場合は、
一気に全部打たずに目地で言うと2本くらいずつ行っていくといいです。
時間が経つと表面が乾いてきて仕上がりも悪くなりますし、
撫でた時も十分に抑えられず密着しなかったり空気が入ってしまったりする可能性があります。
だいたいこんな感じで壁より若干盛り上がるくらいに充填していけば仕上げる時にやり易いです。
打つ時は現時点での見た目のキレイさよりも、しっかり奥まで隙間なく充填する事に集中してください!
これができていないと空気が入って穴があいたり、撫でた後凹んだり大きく痩せたりしてしまいます。
一度に打つ範囲は、その段を打ったら一度撫でて仕上げてテープを剥してから次の段に移りましょう。
少しずつやっていく人は目地2本くらいを打って~テープ剥しまでやって、それからまた2本くらいの目地をやるようにするといいです。
コーキングを打ったらあまり時間を置かずに撫でて仕上げるようにします。
表面が少し乾いただけで撫でる際の仕上がりが悪くなってしまうので、そこには十分気をつけてくださいね。
だいたい次の写真のようなヘラを揃えれば一通りの目地に対応できると思います。
左から、余ったコーキング材を取り移すヘラ
サッシ廻りや角などに使うナイフベラ、壁と軒天の取り合い部分や入隅に使える指ベラ
一番右が目地を撫でる時に使うゴムベラになります。
次に撫で方ですが、こればっかりは文章で説明しても伝わらないと思いますが、
とりあえず壁の凹凸なりにゆっくり丁寧に撫でていってください。
撫でて脇にはみ出てきたコーキング材がマスキングテープ上に多く残っていると、
テープを剥した際に盛り上がって残ってしまいますので、薄っすらテープが見える状態まで取りましょう。
まずは一度下から上に軽く撫で上げて余分なコーキング材を取り除き、
その後上から下に向かって仕上げていきます。
何度もやる事で上手くなり表面をキレイにでき繋ぎ目を消せるようになります。
塗装屋さんの見習いでも口で説明しただけでは全然上手くならないので
挑戦してみる方は根気よく何度も練習してみてくださいね!
一番肝心な撫で方を詳しく説明できないのは残念ですが、
事細かに説明を書いても、実際に何度もやらなければできないと思うので。
ヘラで仕上げた部分はすぐにテープを剥してください。
このように棒を使ってテープを巻き取っていくと簡単に剥す事ができます。
角や剥し難い所は手で剥して棒につけましょう。
上から下、左から右・・・というふうに、撫でた方向と同じ方向に剥すと淵がキレイになります。
凹凸のある所などは慎重に剥さなければピョンピョン跳ねてしまうので注意が必要です!
テープを剥すとこのような感じになります!
全てのテープを剥し終わったら塗料シンナーをつけたウエスで壁に着いたコーキングを拭き取りましょう。
見直しをして変なところがあれば再度テープを貼って手直しをしてください。
今回はこれで終了です。
今回の内容を補足できるような仕事や情報があれば追記いたします。
質問などありましたらトップページのお問い合わせからお願いします!
家に来てコーキングのやり方を教えて欲しい!という場合は都合が合えばお教えしていと思います。
基本それだけのご依頼ですと都合付かない事もありますが、工事依頼のついで等であれば
打ち合わせや作業の途中でお教えできるかと思いますのでお伝えください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!